-vague-

aloneload.exblog.jp ブログトップ

過去・現在・未来

絶望の闇の中、希望の光が炸裂しては消えてゆく。

また1つ、"思い出"が砕ける。

心に孔の空く感覚。

無視してもう一歩、踏み込む。

斬る。

黒い血の様に霧が吹き出す。

一体何度目の攻撃だろうか、およそ大型獣でも地に伏せる頃合いである。

が、しかしまだ It には弱った様子が無い。

次の"思い出"を装填しつつ距離を取る。

気休め程度に呼吸を整える。

振り返る It を見据える。

構える。

まだ、だ。

まだ足りない。

果たして私一人の"思い出"で足りるのだろうか?

長い影を落とす夕日、雨上がりの土の匂い、光射す森で聞いた鳥の声。

騒がしいだけの馬鹿な友人、今は亡き古き親友、旅で出会った仲間達。

見送りの手を振った弟、泣き顔で微笑んだ母、無言で剣を寄越した父。

それらが、全てが、脆く崩れ去って行く。

掻き消えて行く―

落ちかけた視線を0.2秒で上げ直す。

唇を噛んで疑念を追い払う。

どうせ悔いの少ない結果なんて物は、信念の先にしか無いのだろう。

やらねば、全てを失うのは記憶の中だけで済まないのだ。

無理ならば、未来の全てをも失うのだ。

剣を低く構える。

砕けた記憶の輝きを纏い、

―最早人数も分からなくなってしまった家族を愛おしく思いつつ―

私は、再度駆け出して、

その武器を振るう。
[PR]
by aloneload | 2012-08-19 00:00 | 去在来 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite