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輪舞曲

星降る夜、丘の上。
二人の男女が寄り添っていた。
他には誰も居ない。
男は青年。
「流れ星に、願い事をすると、叶うんだよ。」
ロマンチックな台詞を、恥ずかしげも無く口にしている。
女は少女。
それを恋と呼ぶにはまだ早いのだろう。
幼い横顔は、とても信じられない様な表情で、ただ青年を見つめていた。

星降る夜、丘の上。
二人の男女が寄り添っている。
他にはもう誰も居ない。
青年は台詞を続ける。
「君の願いも、きっと叶うよ。」
―何をお願いする?と言う様に、優しく微笑みながら首を傾げて見せる。
そして、そのまま二度と動かなくなった。

少女は何かを喋ろうとしたが、それが叶わない。
表情すら動かせないまま、ただ青年を見つめていた。
それは恋と呼ぶには、或いは遅かったのかもしれない。
二人の寄り添う丘は、よく見れば夥しい量の血液で固まり始めていた。
青年の胸に穿たれていた、大きな風穴。
即死せず今まで生きたのが、既に1つの魔法だった。

星降る夜、丘の上。
少女が一人、佇んでいる。
少し前まで青年だった物に寄り添って。
他には誰も居ない。
星明かりだけが少女を照らす。
誰も居ない。
星が一つ、流れる。
もう誰も居ない。
光が、流れ落ちる。
もう、居ない。

(何をお願いする?)


―ねぇ。
一度全て壊せば、最初からやり直せるかな。

運命ごと、全て壊して。
混乱した思考で、しかし少女は、願わずには居られなかった。
彼を拒んだ世界を、決して許してはいけない。

―獣の如き絶叫に応え―
―その星は―
―涙の様に零れ―

―落ちる―

世界は、白に染まる―

こうして、滅びる世界で"最強の魔女"は発現し、
そうして、滅びた世界の記憶を喪った。
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by aloneload | 2012-11-22 00:00 | Comments(0)
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