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カテゴリ:去在来( 5 )

過去・現在・未来

「絶望は、許さない。」

ビルから飛び降りた女が、理性的な目でそう言った。
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by aloneload | 2012-09-06 00:00 | 去在来

過去・現在・未来

予感が、した。


遠く絶望の地で

人々を守る為に

人々の嘲笑を受けながら

人々の建前だけの援護を受けながら

助けを求める事も許されず

逃走も、戦闘の放棄も許されず

勝ち目の無い戦いに勝つ為に、

何度も死にながら

血塗れになって尚、

聖剣を振り続けている彼の英雄は


少し未来の、僕だった。


あんな酷い場所で

あんな酷い理由で

あんな酷い戦いを強要されているのは


少し未来の、僕だった。


僕だった!

あぁ。

また死んだ。

『あの英雄、お前と同姓同名だってよ?』

あの日のバカ話も、今になれば確信に変わる。

同姓同名じゃない。

今死んでそして甦ったのは、少し未来の、自分。


頑張れ!

鼓動が、跳ねた。


頑張れ!

想いはすんなりと出た。

そして届けよ。


分かるかい、未来の僕。

今、過去の君が、君の味方になる。

君は助けを求められないから、

僕が君を助ける!


英雄は聖剣に選ばれるという。

ならば、

聖剣に選ばれるという事は、こういう事だ!


少年の背に、光の翼が煌き広がる。

制御なんか知るか!!

それはまるで絶望の様に、どうしようも無く希望に満ち充ちていた。
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by aloneload | 2012-09-02 00:00 | 去在来

過去・現在・未来

聖剣は一本しか無く、故に英雄は一人しか選ばれなかった。

聖剣無くとも立ち上がった果敢なる有志達は騎士団を結成したが、

加護無き騎士団は如何せん脆い物で、敢え無く全滅した。

やはり英雄は世にただ一人であった。

恨む事無かれ。

暗黙の了解、世の常である。


英雄は独り戦っていた。

世界中の人々を守る為、山の如く巨大な悪の魔王を打ち倒すべく、

世界中にその戦いを中継され、一身に注目を浴びながら、

むしろそれは「見世物」と言い換えても良い状態で戦っていた。


魔王がデコピンをする。

英雄の左腕が、肉塊となって吹き飛ぶ。

身体の方はと言うと、衝撃波に耐え切れず木の葉の様に舞い飛んで行く。

血の螺旋がワンテンポ遅れて崩れ落ちる。

それを見た糞餓鬼共が「うっわダッセー!」とゲラゲラ笑う。

それを見た酔っ払い親父が「そんなんで世界が救えるかー?」と宣う。

それを見たんだろうか精神病の女がビルから飛び降りて勝手に死んだ。


英雄は立ち上がる。

人類最後の良心から優しい励ましの言葉を受けつつ、

(人類の未来を貴方に託します)(頼むぜ、英雄!)(任せたぞ、英雄!)

蘇生の魔法を絶え間無く受けつつ、強化魔法を受けつつ、

狂化呪術も受けつつ、英雄として完璧なスペックで立ち上がる。


何というか小人でも不死身かつこれだけのドーピング有りとなれば

不死身では無い巨人の魔王にはどうも勝てる様で、

魔王の残HPを99.999999979%削る辺りまでゴミダメージを積み重ねて来た。


必然の勝利まであと少し、である。


「感動の最終決戦」中継の鏡水晶には早くもエンディングテーマが流れ初めている。

何だか24時間TVの終わり様だと思いながら、僕はそれを眺めていた。

控えめなスタッフロールがキャスト紹介部分に入る。



 英 雄 : あ な た

その意味に気付く前に、足元に過去へのタイムスリップゲートが開く。



お分かりだろうか?

これで魔王の勝利である。
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by aloneload | 2012-08-29 00:00 | 去在来

過去・現在・未来

怖い夢を見て夜中に起きちゃったあの日

ばあちゃんが優しく話してくれたっけ。


こりゃユメクイが出たね。

でも怖い夢を食べてくれるのは、良いユメクイさ。

怖い事なんて無いんだよ。

ほら、ばあちゃんが傍に居てあげようか。

安心してゆっくりお休み。



それがあまりにも優しい声だったからすっかり聞き流していた。


私があの日、恐怖で目覚めたのは、


夢のせい?


夢喰いのせい?
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by aloneload | 2012-08-23 00:00 | 去在来

過去・現在・未来

絶望の闇の中、希望の光が炸裂しては消えてゆく。

また1つ、"思い出"が砕ける。

心に孔の空く感覚。

無視してもう一歩、踏み込む。

斬る。

黒い血の様に霧が吹き出す。

一体何度目の攻撃だろうか、およそ大型獣でも地に伏せる頃合いである。

が、しかしまだ It には弱った様子が無い。

次の"思い出"を装填しつつ距離を取る。

気休め程度に呼吸を整える。

振り返る It を見据える。

構える。

まだ、だ。

まだ足りない。

果たして私一人の"思い出"で足りるのだろうか?

長い影を落とす夕日、雨上がりの土の匂い、光射す森で聞いた鳥の声。

騒がしいだけの馬鹿な友人、今は亡き古き親友、旅で出会った仲間達。

見送りの手を振った弟、泣き顔で微笑んだ母、無言で剣を寄越した父。

それらが、全てが、脆く崩れ去って行く。

掻き消えて行く―

落ちかけた視線を0.2秒で上げ直す。

唇を噛んで疑念を追い払う。

どうせ悔いの少ない結果なんて物は、信念の先にしか無いのだろう。

やらねば、全てを失うのは記憶の中だけで済まないのだ。

無理ならば、未来の全てをも失うのだ。

剣を低く構える。

砕けた記憶の輝きを纏い、

―最早人数も分からなくなってしまった家族を愛おしく思いつつ―

私は、再度駆け出して、

その武器を振るう。
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by aloneload | 2012-08-19 00:00 | 去在来
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身内向けの愚痴日記。


by Riz
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